第10回 「個性を出す」とは


みなさん、こんにちは。
プロ野球が何ごともなかったかのように開幕したのを知り、賭博に対する認識を新たにしたshimanyです。

さて、普段は全くテレビを見ないのですが、そんなボクですら、オリエンタルラジオ(正確には、RADIO FISH)の「PERFECT HUMAN」が話題なのは、さすがに耳に入ってきました。

さっそく曲を入手してみると、想像以上にカッコよかったため、すぐさま我が家のヘヴィ・ローテーションとなり、就学前の子ども達もあらかた歌えるようになってしまいました(かけすぎ)。

で、この曲、一体、お笑いなのか普通の歌なのかというコトが、ちょっとした議論(?)になっているようです。

確かに、お2人の最初のブレイクである「武勇伝」や「あがめたてまつれ!」からの流れは一応汲んではいるモノの、曲の中に明確なオチやボケがある訳ではありません。

これなら、普通のミュージシャン(?)である、さだまさしさんの「雨やどり」を含む一連の楽曲や(いささか例が古くて申し訳ありません)、場合によってはユニコーンなんかの方が、よっぽど歌詞において笑いを志向しています。

一方、芸人の方たちがお笑い抜きのマジメな曲を歌うというのは、それこそ猿岩石やくず等をはじめ(やはり、例が古くて申し訳ありません)いくらでもあるので、そちら狙いなのかといえば、この曲が最初に本格的に発表された場が、いわゆる「ネタ番組」だったと聞くと、やはり、オリラジのお2人は、あくまでもこの曲をネタとしてやったのだと思われます。

しかし、やっぱり、ネタにしてはいささか……

……と、いろいろ思わせた時点で、既にお2人の勝ちだと思うのです。

どうしても、何ごとも既にあるジャンルに押し込め、なんとか納得しようとしがちな我々に対し、「これは一体なんなんだ?」と思わせるコト、つまり、既成の概念からはみ出る新しいコトをやるコト自体に、とても意味があると思うのです。

ただそれは、口でいう程簡単ではありません。

大抵、新しいモノというのは、上記のように、基本的に保守的で、これまでの枠組みに収めたいと思う多くのヒト達(もちろん、自分を含みます)から反発を買います。
今回は、幸いハマりましたが、それこそ、当番組で岡村さんがツッコミとして言っていた「やめろ!」「帰れ!」が、リアルな反応として返ってきた可能性もあった訳です。

実際、この曲をネタ番組でやろうというのは、相当の覚悟が必要だったと思います。
しかし、たとえ、世の中の反応がどうであれ、自分の本当にやりたいコトができるか?いいと思うモノを発表できるか?が問題なのだと思います。

そして、それらの集積が、いわゆる「オリジナリティ」とか「個性」といわれるモノになるのかもしれません。

この、クリエイティブな分野における「個性」を考える度に思い出すのが、KANさんの大ヒット曲「愛は勝つ」なのですが(またまた例が……(以下略))、KANさん曰く、この曲はビリー・ジョエルの「アップタウン・ガール」をかなり意識して(というか、寄せて)作ったつもりだったのに、発表後、ほとんど指摘がなかったとのコト。

確かに、そういった目(耳)で確認してみると、実はかなり似ているのですが、言われなければ、全く分かりません。
このように、たとえマネから入っても、自分のやりたいコトをしていれば、勝手に出ちゃうのが個性なのです。

しかし、逆に「よし、個性を出したろう!」と思っても、今度は中々出てくれません(笑)。
というか、そもそも、どうやったら、自分のやりたいコトが表現できるかが、最初はよく分からないのです。

それまで、十分ヒット作を出していたのに、本当に自分達のやりたい音楽ができるようになったのは、やっと4枚目のアルバム「Risky」(以下、略)あたりからだとB’zのお2人がおっしゃっているのを、インタビューで見たコトがあります。
あのお2人ですら、そうなのです。

結局、苦しくて、「なんでできないねん!」と自分にハラを立てながらも、その時点で精一杯、自分のやりたいモノ、カッコいいと思うモノを発表し続け、ホンの少しずつでも自分の思ったとおりに表現できる技術とセンスを身につける。
クリエイティブな分野で何者かになりたいと思った場合、結局、愚直にそれを繰り返すしかないんじゃないないでしょうか。

……なぁ、オレ(笑)。